ーー脇で規則的に繰り返される深い寝息、それが気を失わんばかりに彼女を怯えさせた。それはとうてい自分の恋人と言えるものではなかった。見も知らぬ、よその男の寝息、いやそれどころか彼女に敵意を持った男の寝息とすら聞こえた。要するに、寝息には無関心そのもののリズムがあった。
◆課題本:『無関心な人々』(上)(下) モラーヴィア 岩波文庫
20世紀を代表する作家モラーヴィアの処女作。主人公の青年ミケーレは自分をとりまく現実と自分とのずれを意識しており、あらゆる行為に情熱が持てず周囲に対して徹底した無関心におちこんでゆく。ローマの中産階級の退廃と、苦悩する若者を描いたこの作品は、当時のファッショ政権から発禁処分をうけた。
◆日時: 2018年01月20日(土) 17:30頃
◆会費: 7,000円 (当日払い) 飲食込
◆会場: トラットリア・ブカマッシモ(門前仲町)
お申込みはこちらから。*満席になりました*
————————————————————————————————–
*東京大人の読書会*は、世界中の良質な文芸作品を味わって楽しむ読書会です。毎回、初めての方、常連の方、お久しぶりの方、さまざまな本好きの方々がいらっしゃいます。
課題本だけでなく、読書会の後半には本の紹介タイムも設けております。課題本に関係ある本、最近読んだ本、今カバンに入っている本、さきほど書店で買ってきた本など、自己紹介の代わりにもなりますので是非お手持ちの本もご紹介ください。同じ作家がお好きな方もいらっしゃるかもしれません。
当読書会は、少人数で親密に本の話を楽しむことを趣旨としており、会場は下町の小さな飲食店を予約しております。ご連絡がなくキャンセルされた方は、次回の参加をご遠慮いただく場合がございますので、ご了承くださいませ。
参加者の方々と本のお話ができるのを楽しみにしております。